FC2ブログ

あまりの大航海

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ボルドー酒場にて 8

「いい人かどうかは分からないけど、立派な人ではあるらしいというのが、あいつの返答だった。パパもママも、その男を尊敬してるんだとさ」そして、オスカーさん、周りを見回します。「ただなあ、なんだか私は気になった。皆のそろっている席で、そいつは若い女性の心得みたいなものを得々としゃべるような男だったらしい」
 それはなんだか、あまりも首を傾げます。
「うん。そのとき、あいつがその口調をまねてな、少し笑いながらしゃべってくれたからな」
「まじめなタイプだったのかな、その人」と、たばさ姉。
「まあたしかに、そう言おうと思えば言えるんだろうがな」と、少し投げやりな口調でオスカーさん。「で、あいつは笑いながらしゃべっていたかと思えば、また沈み込む」
 う~ん。どういえばいいんでしょと、あまりも考えます。
 ちょうど目の前にいる商店主のオスカーさんや、酒場マスターのジュリアンさんに求婚されるようなものなのかも。たしかに、ちょっと考えにくい問題ではあります。
 それはまあ、そういった例が、世間にないわけではないですし、相手にもよるんでしょうけど。
「それで…・・・」と、オスカーさん。「私は、もうひとつだけ訊いてみた」
 酒場の皆さんが、身を乗り出したみたいです。
「その男はどんなふうに笑うのかいってね。そしたら、あいつはこう答えた。あの人の笑うところは、ほとんど見たことがない。もちろん、笑いかけられたこともないってね」
 あまりとたばさ姉、思わず顔を見合わせます。
「まあ、だから行いが立派で、まじめなまま初老を迎えた男……、いや、本当にそうなのかは分からんが、義務に忠実で結婚もその男に取っては遅ればせながらの義務だったのかも知れん。いやいや、私にしても、そのとき、そんなことまで考えていたわけじゃなかったと思うんだが、しかしな、嬢ちゃんも覚えとくといい。本人とっては神聖な義務でも、それに関わる他人にとってはただの枷でしかないってことが、世の中いくらでもあるから……、いや、なんだか混乱してきた。さすがに酔いがまわってきたかな」
 オスカーさん、火照った赤い頬をふっくらとした自分の手で撫で回してます。
 そして、マスターのジュリアンさんに水を、と声をかけます。
「さっきも言ったが、あいつ―キャサリンは領主貴族の娘だし、私は頭を張っているとはいえただの海賊だ。だから、あいつに良い縁があれば、それで納得するはずだったんだ。だけど……、これは違うと思った」

(続く)

スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

カレンダー

03 | 2019/04 | 05
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -

プロフィール

あまり

Author:あまり
大航海時代オンラインで遊んでます
サーバー Eos
国籍 ネーデルランド
所属商会 無所属

3女です。
このブログの主な執筆者です。
交易メインの商人で、性格的には末っ子キャラということで、はい(^^


FC2ブログランキングに参加してます。
↓ クリックして頂ければ、あまりは明日も頑張って書きます!

FC2ブログランキング

プロフィール2



長女、「りさ」
このブログのツッコミ役?
冒険職で、気まぐれに発見物を報告します

プロフィール3



次女、「たばさ」
ひたすら生産。
基本的に無口で控えめですが、たまに口を開くと、意表をつく発言が多いかも

最新記事

最新トラックバック

FC2カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード

右サイドメニュー

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。